2017年8月5日土曜日

アルコール依存症

引き続き入院中。

入院生活が1ヶ月を過ぎました。

急性期病院であります明石医療センターは、ほとんどの患者さんが目的とした治療を負えると帰宅もしくは転院して行きます。

したがって、入院期間は短期間の人が多く私のように1ヶ月以上もお世話になるという方は少ないようです。

私としては、快適な環境で手厚い看護を受け優秀なドクターの治療を受けることができることは大変幸せなことであります。

しかし、退院していく患者さんを横目で見ながら

「そろそろでたいなぁ~」

と思いはじめているところです。

さて、本日も“縁”あって同室になったある患者さんのお話。

年齢は、私と同世代であります。

見た目からは、どこに問題があるのかよくわからない風体でありますが・・・

どうやら、アルコール依存症のようです。

肝臓の数値が悪いようで、入退院を繰り返しているとのこと。

入院した当日

「あのぉ~、コンビニへ行きたいんですけど・・・」

と看護師に伝え、看護士助手が付き添って病院1回にあるコンビニへ買い物へ出かけました。

その後、夕方になって再び

「あのぉ~、コンビニへ行きたいんですけど・・・」

とナースコール。

看護士さんは

「ごめんね。いま、人が少ないからダメなの」

と断ります。

すると、またまた数十分後、別の看護助手に

「あのぉ~、コンビニへ行きたいんですけど・・・」

と訴えるのです。

「担当の看護士に聞いてみますね」

と言ってその場を後にした看護助手。

すると、担当の看護士さんがやってきて

「●●さん!先生がね、コンビニへ行ったらダメって言ってるからね」

と思わぬ返事が返ってきました。

「さっきは行ったんですけどねぇ~」

と不満そうな患者。

看護士さんは

「何を買うの?」

と尋ねますが

「いやぁ・・・、ちょっと買い忘れたものがあって・・・」

とはっきりしません。

翌日、またまた

「あのぉ~、コンビニへ行きたいんですけど・・・」

と担当の看護士に訴える患者。

看護士は

「先生に聞いてみますね」

と言って出ていきましたが、すぐに戻ってきて

「先生がダメだといっているので」

と、昨日と同じ返事。

「何でですか?昨日は行ったんですよ!」

と食い下がる患者。

しかし看護師は

「何を買うんですか?」

と尋ねると

「いやぁ・・・、ちょっと買い忘れたものがあって・・・」

とはっきりしません。

このやりとりが、午前中に3回、午後から夕方にかけて3回ほどつつく日々が3日ほど続きました。

4日目も前日までと同じ調子ですが、この日は少し雲行きが変わりました。

担当の看護士さんは、とても若い方で・・・

患者の口調は、前日までのそれとは少し違い

「何でコンビニへ行ったらアカンの?」

という感じに変化。

朝から何度も同じ質問を繰り返し・・・

看護士「先生がダメって言ってるから」

患者「この前は行けたのに!」

看護士「先生に相談しますけど、付き添いがないと・・・」

患者「・・・・」

こんなやりとりがありまして・・・

夕方には

患者「コンビニに行きたいんやけどね!」

看護士「ダメなんです」(とても優しい口調で)

患者「何でアカンの?」

看護士「先生がダメって言ってるので」(優しい口調で)

患者「この前は行けたのに!」

看護士「先生に相談しますけど、夕方以降はスタッフが少ないからダメなんです。付き添いが難しいので・・・。」

と伝えると、ついに患者は目の前にあったティシューの箱を床にたたきつけて

「もぉ、エエわ!!」

と怒りを爆発させました。

あまりの悪態に、私の怒りの導火線に火がつきそうになったんですけど・・・

それ以上、騒ぎは大きくならなかったので様子を見ることにしました。

そして・・・

翌日の午前、父親らしき人物がやってきました。

ふたりで部屋から出ていきまして・・・

帰ってきたときには、手にコンビニの袋が・・・。

患者は、カーテンを素早く閉めたとおもうと、ベットの上で袋をゴソゴソ・・・。

すると、唐揚げのとてもいい香りが病室内を漂い始めました。

しばらくして、看護士さんたちが各患者の検温や血圧測定のために部屋を音連れたのですが・・・

異様な香りに気付かないわけがありません。

当時、この病室に入院していたのは、私、食欲のない患者1名、絶食中の患者1名、件の患者の計4名。

誰の仕業か、すぐにわかっちゃうお話です。

しばらくするとドクターが5人でやってきまして・・・

「●●さん!コンビニへ行きたいの?何を買うの?」

と単刀直入に問いました。

すると・・・

「いゃ・・・、あの・・・」

とモゴモゴ。

「転院してもらおうかと思うんですけど、××病院か▲▲病院か、◆◆のどこがいいかなぁ~?」

とドクターが尋ねると

「えっ!?ここにおられへんのですか?」

と困った様子。

「まだ、どこで受けてくれるか話しないと分からんけどねぇ・・・」

と、選択を迫る様子を見せながら、丁寧に対応しています。

ちなみに・・・

ドクターが示した病院は、いずれも私が普段困った時に明石市役所の“福祉の心をもった優秀な職員”に相談し手配していただく病院や施設です。

どうやら、この患者も入院経験があるようで・・・

その後、大変おとなしくなりました。

同日、ベテランの看護士がやってきて・・・

「●●さ~ん!お部屋を変わっていただきますねぇ~」

と言って、ベッドごと、どこか別の病棟の別の階に引っ越ししていきました。

そのご、彼はどうなったんでしょう?

ちなみに・・・

彼には、もう一つの要求がありました。

それは“外出”です。

「あの~、外出したいんですけど・・・」

と看護師に伝えると

「何で?どこへ行くんですか?」

と問い返されました。

すると・・・

「保険証がないから、市役所に行ってつくらんとアカンので・・・」

と理由を話しました。

看護士さんたちは絶句しておりましたが・・・

さすがの私も、呆れてしまいました。

唐揚げ食う前に、することがあるんとちゃうの?


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